屋根材で一番涼しいのは瓦だった！その驚きの断熱効果とは？

猛暑が続く新潟市、新発田市地域、家の中が「まるでサウナのように暑い…」と感じたことはありませんか？
その原因の一つは、“屋根”にあるかもしれません。

実は、屋根材によって家の暑さは大きく変わるんです。
そして今、改めて注目されているのが日本伝統の「瓦屋根」。

今回は、屋根材の中で一番涼しいと言われる「瓦」の断熱効果や、他の屋根材との違いについて詳しく解説していきます。

そもそも屋根からの熱はどれだけ室内に影響するの？

夏の日差しが照りつける中、屋根の表面温度は60℃〜80℃にもなると言われています。
この熱が屋根材を通して天井や屋根裏に伝わり、室内の温度を上昇させてしまうのです。

つまり、どんな屋根材を使っているかで、家の“涼しさ”が変わるというわけです。

屋根材の種類と断熱性の比較

この表からもわかる通り、断熱性で最も優れているのは「瓦」なんです。

なぜ瓦はこんなに涼しいの？

① 熱を伝えにくい素材構造

瓦は粘土やセラミックを高温で焼き上げた素材でできています。
この素材自体が熱を伝えにくいため、屋根表面の熱が屋内に届きにくい構造になっているのです。

② 空気層で断熱効果アップ

瓦屋根は、瓦と屋根の下地との間に自然な空間（通気層）ができます。
この空気層が断熱材のような役割を果たし、熱の伝達をさらに抑えてくれます。

③ 蓄熱しにくく、すぐに冷える

瓦は熱を吸収しすぎない上に、放熱性も高いという特性があります。
つまり、日が沈めば屋根の熱がすぐに外気に逃げるので、夜になっても家が熱くなりにくいのです。

実際に瓦屋根の家はどれだけ涼しいのか？

気温が35℃を超えるような真夏日でも、瓦屋根の家は以下のようなメリットがあります：

• 天井付近の温度上昇が2〜4℃ほど低く抑えられる

• エアコンの稼働時間が短くなり、電気代の節約につながる

• 夜の寝苦しさが軽減され、快適な睡眠が得られる

つまり、「屋根から涼しさをつくる」ことができるのが、瓦屋根の大きな魅力なんです。

兵庫工業技術センターによる「屋根材の違いによる屋根表面および屋根裏温度への影響の検討」

サーモグラフィーの通り、表面直上温度はもちろんどの屋根材でも高温となるが、野地裏直上温度は金属やスレートと比べて、土を焼いただけの“瓦”は10℃近くも低くなる。

断熱材も何もない単なる素材のポテンシャルだけで、建築にかかる負荷に夏と冬ほどの差が出る。

これは“土もの”としての素材優位性もあるが、形状特性として野地との間に設けられる通気層の存在効果が大きい。

この通気層の存在は結露対策にも効果的で、下葺き材や野地等の劣化も他の屋根材より抑えられることが、つくば建築試験研究センターによる「木造住宅の耐久性向上に関わる建築外皮の構造・仕様とその評価に関する研究」で検証されている。

ようは屋根材別 長期曝露試験による野地等の経年変化比較試験ですが、曝露期間は38年で、結果和瓦以外は明らかに下葺き材と野地の腐朽が見られる。

以下、研究論文より引用…

軒先付近の劣化は金属系屋根材で顕著。

特に瓦棒葺きは軒先付近の芯木直下の下地が劣化している。芯木自体も軒先部が著しく劣化し、一部消失しているものがあることや、芯木下部に下葺き材が無いことから、桟鼻付近から毛細管現象等で雨水が浸入して劣化に至ったものと考えられる。

またケラバ部からの漏水と屋根材同士の取合い部からの雨水侵入による影響も大きい！

現在、金属やスレート系屋根材の普及が多いが、結局は同様の構造なので経年で野地板が腐朽するリスクを抱えています。

建築建材として“絶対”というものはないが、先人の叡智とその積み重ねが紡ぐ1,000年余に及ぶ瓦の歴史とは改めて素晴らしいものだと思う。

その歴史の系譜の一端を担うものとして、この素晴らしい建材を未来にも繋げるべくますます精進したい！

まとめ：涼しい家づくりなら、やっぱり瓦！

「屋根材で一番涼しいのは瓦だった！」
これは見た目の印象ではなく、実際の熱環境で証明されている事実です。

断熱・遮熱・放熱のトリプル効果を持つ瓦は、
日本の暑い夏を快適に乗り切るための理想的な屋根材と言えるでしょう。

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